2020年 | 静岡県富士市
× 静岡県富士市
× LIXILの共同検証実験
クールdeピースPJ 2020
プロモーションムービー
検証実験
コロナ禍における夏の教室内環境の改善に向けて、外付け日よけ「スタイルシェード」を使い、以下4つの検証実験を行いました。
- 4年生の3つの教室で、日射遮蔽条件(日よけなし、カーテン、スタイルシェードの3条件)を変えて比較実験
3つの教室で、日射遮蔽の条件を変えて室内温度を比較しました。
- 【実施環境】
- エアコン設定温度26℃
- 【測定日】
- 2020年8月19日 8:00~17:00
-
日よけなし
-
カーテン
-
スタイルシェード

スタイルシェードを設置した教室は、窓の外側で日差しを遮ることにより、 窓側と廊下側の室内温度差が軽減した。
3つの教室で、日射遮蔽の条件を変えて暑さ指数(WBGT値)を比較しました。
暑さ指数(WBGT)とは
- 【実施環境】
- エアコン設定温度26℃
- 【測定日】
- 2020年8月19月 8:00~17:00
-
日よけなし
-
カーテン
-
スタイルシェード

スタイルシェードを設置した教室は、 窓側においても、暑さ指数25℃以内(警戒ライン以下)に近づけることができた。
3つの教室で、日射遮蔽の条件を変えて
照度(まぶしさ)を比較しました。
- 【測定日】
- 2020年8月14日 12:05~12:15
-
日よけなし
(北側・黒板のみ照明点灯) -
カーテン
(全照明点灯) -
スタイルシェード
(全照明点灯)

スタイルシェードを設置した教室は、
窓側のまぶしさ(最大照度)が抑えられ、廊下側(最小照度)との差も少ない。
エアコン使用時の換気方法の検証
エアコン使用時に、換気をしながら教室内の温度差を少なくできる“窓の開閉方法”を検証しました。
- 【実施環境】
- 2020年8月10日10:00、外気温31.9℃・エアコン設定温度26℃・日よけなし
まっすぐ教室の外(廊下)へ排出されてしまう
- 【実施環境】
- 2020年8月19日10:00、外気温33.6℃・エアコン設定温度26℃・スタイルシェード
教室内を循環し、窓側まで涼しい空気が巡っていく

「高窓」 から吸気し廊下側の 「地窓」 から排気することで、教室内の温度差が少なくなり、 窓側の席の温度環境も改善。換気のために窓をあけても、スタイルシェードの場合は、風でカーテンがひらひら揺れないため、児童たちのストレスも軽減。
換気量(CO2濃度)の検証
「高窓から吸気・地窓から排気」の窓の開閉方法で、換気量が確保されているか検証しました。
- 【測定日】
- 2020年8月20日
- 【実施環境】
- 外気温35℃・エアコン設定温度18℃・ スタイルシェードで日射遮蔽の条件にてスモーク換気試験を実施
- 【実施内容】
-
- @ 煙を噴射する前に室内照度を測定
- A 6分間教室内に煙を噴射
- B 換気により照度が戻るまでの時間を測定し換気回数を把握
照度測定
煙噴射器

「高窓から吸気・地窓から排気」 の窓の開閉方法にて、
約10分に1回で換気でき、 CO2濃度も800ppmで基準値の1000ppmをクリア。

熱中症を引き起こす原因は「気温」だけではありません。「暑さ指数」 は、湿度や輻射熱も含めて数値化された、いわば ”熱中症を予防するための数値” です。 暑さ指数28℃以上になると、熱中症のリスクが高まります。




※日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針Ver.3」(2013)より
「スタイルシェード」を使った検証実験の前後でアンケートをとり、どのくらい教室内環境が改善されたかを比較しました。
-
教室の室内温度
-
教室のまぶしさ
-
教室の通風
-
教室の快適度
4年生児童の多くが、
教室内環境改善の効果を実感
-
教室で体育館の屋根からの太陽の光の反射がとてもまぶしくて暑く、エアコンをつけても窓側と廊下側の児童で温度差があり、温度調整がとても難しい状態で熱中症について心配でしたが、スタイルシェードをつけることによって外からの熱や太陽の光を防ぐことができるので児童が快適に授業ができるのではないかと考えています。 4年担任
-
カーテンを閉めなくていいから、風が来てもカーテンがひらひらしないで授業に集中できると思います。 4年生児童
-
スタイルシェードをつけてもらったから、そのおかげで体育館の照り返しとかを防げてちょうどいいかなと思う。 4年生児童
-
スタイルシェードをつけたらまぶしくもないし暗くもないから、これでもうテストはバッチリです。 4年生児童
-
WBGT計や照度計、風速計等の機器を使うことで、子どもたちが感覚だけではなく、科学的に温度や明るさを調べたり、検証することができました。全国に発信するにあたって、ただ良かったとか、まぶしくなくなったとかだけではなく、みんなに示せるようなデータをきちんと取らなきゃいけないな、ということで子どもたちも主体的に学習が深まったと思います。 岩松北小学校 校長 宮川貴志先生
検証実験まとめ
スタイルシェードにより日射を遮り、窓の開け方を工夫し、
エアコンの涼しい風が循環することで、教室内の温度差が小さくなり、
室内環境を快適にすることができた。
ご協力いただいた方々
-
熱中症対策としてこれまでもエアコンの設置という取り組みはしていますが、今年度につきましては新型コロナウイルスの拡大防止という必要性もあり換気が重要になってきますので、スタイルシェードがあることによってエアコンと換気を両立させてさらに効果のあるものになったと思います。
-
齋藤 正知さん 富士トーヨー住器株式会社
代表取締役社長今回のプロジェクトを岩松北小学校でやらせていただいて、いろいろ子どもたちが勉強していく中で、スタイルシェードはかなり必要なものだなということを痛感しました。これからも、ぜひともこの輪を広げていきたいと思っています。
-
坂東 誠さん 坂東エネルギー・環境研究所代表
富士市環境アドバイザー生活環境を改善するために、より多くのエネルギーを使用することに頼りがちですが、今回の取り組みは問題点と改善策を自分達で考えてよりよい環境を実現した点が素晴らしいです。結果的に省エネにもなっています。
「スタイルシェード」は
室内熱中症対策に効果的
外付日よけ「スタイルシェード」は太陽の熱を窓の外側でカットし、室内の温度をダウン。
室内温度の上昇を抑えれば、室内熱中症対策だけでなく、夏の節電にもつながります。
「THINK HEAT」が
令和2年度気候変動アクション
環境大臣表彰を受賞しました
- ※ クールdeピースPROJECTは「THINK HEAT」の活動の一つです

室内熱中症から家族を守ろう。
クールdeピースPROJECT
LIXILは「クールdeピースプロジェクト」として自治体と協働し「室内熱中症予防」を地域社会に広げています。これまで埼玉県熊谷市、熊本県西原村の自治体と協働して様々な活動を行い、”夏でも快適に過ごせる室内環境づくり” を推進。室内熱中症予防や日よけ習慣の啓発に取り組んでいます。
活動報告
静岡県富士市・岩松北小学校との活動がさらに拡大、同じ校区の岩松中学校にも広がりました
静岡県富士市 | 2021年

活動報告
熊谷市民モニター宅・無人住宅で実証実験を行いました
埼玉県熊谷市 | 2019年

活動報告
熊本地震の災害公営住宅に「スタイルシェード」を贈呈し、室温や風速などの効果測定を実施しました
熊本県西原村 | 2018年

活動報告
保育所などの施設に「スタイルシェード」を贈呈、また熊谷市民へ向け『室内熱中症予防セミナー』を開催しました
埼玉県熊谷市 | 2017年 ~ 2018年
主査